数年前のこと。帰国時に成田で一泊することになった。初めは一泊しなければならないことが苦痛だったが、日が近づくにつれ少しだけワクワクに変わった。
ホテルは国際的で日本語が流暢なスタッフが迎えてくれ、受付の方もとても丁寧で感じが良かった。
チェックインを済ませた後、カードキーをもらって部屋に向かう。部屋に着くと、ふぅーっとベッドに飛び込んだ。疲れがどっと押し寄せてきた。そのまま眠ってしまいたかったが、夕食がまだだったので売店に行くことにした。
サッと別の服に着替えて部屋を出た。私の部屋がある階にエレベーターが止まり、扉が開く。
すると二人の日本人のオジサマが中にいた。軽く会釈をして彼らを通り過ぎて後ろに立った。しばらくするとドアが閉まり、下りていく。
1階に着いたらしく、チンと鳴って扉が開く。出るのを待っていると、オジサマたち二人が振り向いて当然のことのように笑顔で「どうぞ」と手を添えて言った。
日本にはレディーファーストの習慣は無いものだと思っていたし、私よりもだいぶ年上のオジサマ方だったから驚いた。きっと海外慣れしているのだろう。
国や人によってはレディーファーストをいいことに、男性がドアを開けるまで女性が待っているということもあるらしい。
それはちょっとやり過ぎな気が…。
この紳士との出来事が旅の始まりだったこともあり、旅行中ずっと気分良く過ごせた。何度思い出しても心が温かくなる。
例えそれが些細なことであっても、人の言動は良くも悪しくも強い影響を与える可能性があるということに気づいた。
その方たちの心配りはとても嬉しかった。でも大切なことは男だからとか女だからということではなく、人を人として尊重することなのではないだろうか。
人は他人に厳しいところがある。自分のことに一生懸命で、周りが見えなくなってしまう人が多い。だからこの紳士の優しさが心に染みたのかもしれない。
相手が誰であっても親切になれる世の中になったらいいなと思う。
今日もみんなが幸せに過ごせますように💖
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