笑顔の森 〜ポジティブへの扉〜

みんなの笑顔、共感、学びを求めて。

問題のあるコース名

 

※今日はやや長めです。

 

大学院の前期にTA(ティーチング・アシスタント)として女性学のセミナーでの指導を任されていたのでその時のことについて書こうと思う。

 

前期はWomen's Studies、日本語では女性研究、または女性学という意味を持つコースのTAとして務めることになった。前に投稿した記事(謎の学生 〜その1〜 参照)にも書いた通り、仕事内容はセミナーの進行、学生のメールの返信、エッセーや試験の採点だった。

 

調べたところ、女性学とは

 

男女の性差がもたらす様々な文化的・社会的問題事象を、学際的な視点から多角的に考察し、男女両性間の様々な関係をめぐる研究と教育を一つの学問体系として確立しようとするもの

引用URL:https://www.twcu.ac.jp/univ/research/institute/iws/

 

とある。

 

毎週テーマに沿った課題(記事や動画など)が出て、それについてセミナーで話し合うことになっていた。

 

あるセミナーで、もっと多くの男性が女性について考えたり、女性学を受講するにはどうするべきか、と話し合ったことがある。

 

するとある学生が、コースを「女性学」と名づけること自体が問題なのではないかと答えた。

 

女性学と付けてしまうと、女性のための、女性に関するコースという印象を与えてしまい、男性が受講しづらくなってしまうのではないか、という意見だった。

f:id:egaonomori:20210307124851j:plain

私が受け持っていたクラスには約20名いる中でたった1人しか男子がいなかったことがそれを証明している。その学生がよくセミナーを休んだのも、おそらく女子ばかりで気まずかったのだろう、と残念に思った。

 

そこで、どんなコース名だったらもっと男性が興味を持って受講すると思うのか、クラスに聞くと「Gender Studies (ジェンダー研究)とか、いいと思う。」とある学生が答え、周りも大きく頷いていた。

 

ちなみにジェンダーとは

 

…生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のことです。たとえば、「料理は女がやるもの」って考えている人、いますよね?料理=女のシゴト。でも男で料理上手もいるのに?この性別がジェンダーです。

引用URL:https://www.jica.go.jp/nantokashinakya/sekatopix/article004/index.html

 

男性が女性学に興味がない、とは一概には言えないのだ。「女性学」というコース名が女性専用であるという印象を与えてしまっている。

 

また、女性学はジェンダーやLGBTQに関するテーマも扱うため、このことを学びたい男性も学べなくなってしまう。

 

しかも、このコースは男尊女卑の記事が多い印象だった。これだと、女性が悲劇のヒロインに、男性は悪者になってしまう。もっとジェンダーの知識を広めるには、性別関係なく学んでいく必要がある。

 

もちろん男尊女卑の問題に向き合うことも大切だが、ジェンダーを深く理解することのメリットや、男女&LGBTQの付き合い方などを学ぶことの方が大切な気がする。

 

皆がこれらについてきちんと学ぶ機会があったら世の中はどれくらい変わるのだろう。

f:id:egaonomori:20210307115843j:plain

まず大切なのは、コース名をもっとGender neutral(ジェンダーニュートラル、性別不問)にする必要があるのだろう。

 

そして、誰かを批難するのではなく、これまでの問題を理解した上で尊重し合える内容であるべきなのではないだろうか。

 

男性、女性、LGBTQとして考えるのではなく、もっと人として考え、行動できる世の中になったらいいなと思う。

 

今日もみんなが自分らしく過ごせますように💖

 

最後まで読んでくれてありがとう╰(*´︶`*)╯♡