お立ち寄りいただきありがとうございます。エモです。
本日は前回の記事マヤ女性と開発①の続きになります。
神秘的に見えるアティトラン湖
状況を変えることには限界がある。というのも、マヤの村の問題は
長期にわたり存在するものなので、変えることは困難で、可能でも
数ヶ月、数年でできるものではない。
また、開発*1は損害を与えることもある。
例を3つ挙げる。
例1) ボランティアをしたアメリカのNPOの現地ディレクターは
アメリカ人男性だった。
メリット:そのNPOは彼と共にレストラン等マヤ女性が働ける場を設けた。
デメリット:彼が食べたいからという理由でメニューに米国料理を加えた。
(女性には相談しなかったと思われる。)
例2) 後任者にグアテマラ人女性が選ばれた。
メリット:アメリカ人男性ではなく、グアテマラ人女性であること。
デメリット:彼女はマヤ族でもなければ、マヤ語も話せない。
→では、なぜ彼女を雇ったのか。
このNPOを支援する団体のほぼ全員がスペイン語が話せないということと、
彼女が英語を話せるというのが理由。つまり、団体のディレクターたちは
英語でコミュニケーションを取りたいのだ。
※マヤ女性にはスペイン語とマヤ語が話せる人と、マヤ語しか話せない人がいる。
例3) 団体のディレクターの配偶者♂(メンバーではない)が、マヤ女性の
働くレストランが暗いと感じ、壁にペンキを塗り始めた。
→相談なしだったので、女性たちは納得いかなかった。
レストランの食事
その後レストランはどうなったのか。
- ボランティアのアメリカ人女性とマヤ女性が米国料理を排除し
マヤの料理のみを提供し始める
- マヤ女性が現地のアーティストを雇い、自分たちでマヤの色と
デザインを選択する
⇩ すると…
面白いことに、レストランは人気が出て、評判もよくなる。
しかも、村でNo.1のレストランに選ばれた。
部分的ではなく100%マヤにした方が、良い結果が出た。
→このことから、マヤ文化を尊重しなければならないことは明確である。
別の村への移動はボートで。
この団体には根本的な問題がある。
- 自分たちの考えが正しく、グアテマラでもアメリカと同じやり方で
物事を遂行できると信じている
- スペイン語を話せない人が多い
- グアテマラ/マヤの政治や歴史を知らない
- マヤ女性はフラットもしくはホリゾンタルな関係性を好むのに対し、
ディレクターたちの対応はトップダウンである…等。
このことから、マヤ女性を尊重しないのはマヤ男性だけでなく、
団体も同様であることがわかる。そのため、理想的なのは
マヤ女性がディレクターになることだと思われる。
マヤ女性の「声」を聞くことはシンプルなことなのだが、この団体の
ディレクターたちはそれができていない。
残念ながら、他の多くの組織もおそらくこの傾向にある。
ボートの中から。
開発に携わるのであれば、相応しい振る舞いや現地の価値観などを
きちんと理解し、政治や歴史も学んでおく必要がある。
この団体は、マヤ女性が彼らに完全に依存してしまうような状況を
作ってしまっている。外国人が彼女たちを訓練するなど、最初は
役立つこともあるが、最終的には彼女たちが独立することが理想的な
状況である。
訓練されたマヤ女性がまた、別の女性たちを訓練する。
これがサステナビリティにつながる。
もし途上国で女性のために何かをしたいと思うのであれば、
考えを提案することはあっても強要してはならない。
その考えは本当に彼女のたちのためになるのか、そして彼女たちが
それを望んでいるのかどうかを常に問わなければならない。
多少省略してありますが、これがカンファレンスのプレゼンの大まかな
内容です。興味を持ってくださった方、本当にありがとうございます^ ^
今日もみんなが幸せに過ごせますように💕
最後まで読んでくれてありがとう╰(*´︶`*)╯♡
*1:英語やスペイン語では”介入”という言葉を使用するが、ここでは”開発”を使用