笑顔の森 〜ポジティブへの扉〜

みんなの笑顔、共感、学びを求めて。

無条件の優しさ

 

本日もお読みいただきありがとうございます。昨日の記事にスター、コメントありがとうございます!いつもみなさんのご意見が聞けて大変勉強になります。昨日は「贈り物」に対する見返りを期待しないという話でした。今回は、「見返りを求めない優しさ」について、昨日と同じく私が経験したことを綴っていきます。長めです♪

 

私たちは主人の仕事の都合でスペインに滞在していたことがある。その当時、私は全くスペイン語が話せなかった。

 

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せっかくしばらくの間スペインにいるし、スペイン語を学ぼうと、学校に通い始めるが、何か音楽を演奏したい気持ちもあった。

 

ピアノを弾いたり、歌を歌ったり。何でもよかった。だから地元の新聞で情報を探し始めた。すると、イギリス人の合唱団を見つけ、一度見に行くことに。

 

年配の方が多かったが、歌声はとても綺麗な合唱団だった。練習が終わってディレクターと話をすると、入りたいなら今度オーディションするよ、と言われた。

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その合唱団に入るか迷っていた時。隣に住んでいたスペイン人が友人を家に呼んでいて、私たちも招いてくれた。合唱の話になると隣人が、スペインにいるんだから、スペイン人の合唱団に入りたくない?と聞いた。

 

私がずっと探してるんだけど、見つからないんだよね。と答えると、どうやら隣人の(遊びに来ていた)友人が合唱団のディレクターと知り合いらしく、彼のいる場所を教えてくれた。

 

数日後、主人とディレクターに会いに行った。私はまだスペイン語が話せなかったので、主人に通訳してもらった。

 

入団する方法やオーディションが必要か聞いてもらうと、いつでも来ていいよ!オーディションなんてないよ(笑)目をキラキラ輝かせながら笑って答えた。優しそうな人だったし、行ってみることに。

 

その合唱団は数人のイギリス人を除いて全員スペイン人だった。こちらも年配の方ばかりだったけど、とても温かく迎えてくれた。

 

ここに居れば、スペイン語も早く上達しそうだし、みんな優しかったのでこの合唱団に入ることに。

 

入って気づいた事は…楽譜は読めたけど、歌詞の意味が分からない(・・;) だから心を込めて歌うのは難しかったけど、練習は楽しかった。

 

スペイン人はおしゃべり好きなので、自分が歌っていない時はぺちゃくちゃ喋り出す。ディレクターにここから歌ってと言われても聞いてないからえ、何て言った?どこから?って私に聞いてくることも多々あった(笑)。そしてディレクターにちゃんと聴きなさい!と何度も怒られる(笑)。いい大人が怒られているのを見ると何だか可愛かった。

 

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初めてのイベントの時。規定のドレスについて4〜5人の女の人たちがああでもないこうでもないと話し合っている。おそらく、

 

この子(私)のドレス、どうする?

ドレスは余分にあるんだけど…この子には大き過ぎるわね。

ちょっと詰めれば大丈夫なんじゃない?靴はどうするの?

 

…的なことを話してくれていたのだろうけど、私にはさっぱり(笑)。

詳細は主人に話してもらって何とかなった。

 

この合唱団に入ったことでなかなかできない経験をさせてもらった。教会での結婚式、お祭りのイベント、介護施設で歌うなど、色々なイベントに参加させてもらった。

 

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いつの間にか合唱団の人々は私にとって特別な存在になっていた。町で会ったら挨拶(ほっぺにキス)してくれ、私を娘のように可愛がってくれた。団員じゃなかった主人にもよくしてくれた。

 

でもついに別れがやってくる。

 

練習最後の日。今日はとても悲しい日なんだと声のトーンを少し変えてディレクターが話し出す。

 

ソプラノの女性がどうして?と聞くと、ディレクターがその日は私が最後の日だからと説明した。少しざわざわした後、主人がCava (カヴァ:スペインのスパークリングワイン)を何本か用意してあったので、みんなで乾杯した。

 

気がつくとみんな横に並んで、一人が歌い出し、二人、三人、と増えていき、友情をテーマにした歌を私にプレゼントしてくれた。その後、列になって一人ずつ私や主人に「元気でね」と挨拶をしてくれた。

 

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おそらく、この人たちにとってここまで日本人と関わったのは初めてのことだったのだろう。突然スペイン語も話せない娘が現れて、複雑な気持ちだったのではないだろうか。でもみんな見返りを求めず、私を受け入れてくれ、優しく接してくれた。

 

多分、私がスペイン語やスペインの文化をを学ぼうとしていたことが大きいと思う。

 

こんな素敵な人たちに出会えたことに感謝している。そして、この人たちに何ができるかと考えた時、今度会った時に不自由がないよう、彼らの母国語であるスペイン語をマスターしようと誓った。そして、一生懸命学んだ。

 

これが、私にたくさん愛情をくれたこの人たちにできるせめてもの気持ちだから。

 

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愛をたくさんくれた人には返していきたい。それはきっと、相手に伝わればどんな形でもいいのだろう。

 

最後に、私にこの環境を与えてくれた主人にも感謝。

 

今日もみんなが幸せに過ごせますように💖

 

最後まで読んでくれてありがとう╰(*´︶`*)╯♡